水木しげる 「ゲゲゲの家計簿」を読んで元気になった
水木しげるは、子供のころから「ゲゲゲの鬼太郎」でなじみがあったし、最近ではNHK朝ドラにもなったので「ゲゲゲの女房」が放送されたので水木しげるの人生については割と広くしられていると思うのだが、私はこの放送をほとんど見ていないので、この「ゲゲゲの家計簿」が初めての水木しげるの自伝的マンガになった。
水木しげるは、戦争で片腕なくしたり、戦後も紙芝居作家・貸本漫画家で苦労して、晩婚であったのだが、そういう境遇もあまり暗いタッチでもなく、淡々と描かれていて、かつ、本人はいたって困難な状況でも、ある意味落ち込まず、とはいえ、怒りもせずに淡々と好きなマンガ家稼業を続けているところがいい。いい意味で、夏目漱石のいう「自己本位」的な生き方を実践できているように思う。
お金がないので、趣味は自転車で墓地をめぐることだったり、プラモデルで軍艦を作ったりするというのも、個人的には好感が持てた。ある意味、素直に自分の好きなことをやって生きているね。
とはいえ、貸本漫画家も生活が厳しいので40歳過ぎて商業マンガ誌にデビューする際も、最初は、自分の苦手なテーマを書くように編集者にいわれて、自分の苦手な漫画でしっぱいするくらいならデビューしなくてもよいと断ったところがすごいなと思った。金のためだったら普通は断らないところを断ることは、なかなか常人にはできないことである。
ほかにも、水木プロダクションのアシスタントとして「つげ義春」が活躍していたことなど、つげファンにはたまらないですね。(私、「つげ義春」も結構好きなんです。)