「シャカの息子」(ジョージ秋山著) 巨匠の挫折と実力社会
おそらく少年ジャンプを愛読している(いた)ほとんどの同世代(70年代生まれ)も、さすがに「シャカの息子」を知っている人はほとんどいないと思う。
なぜなら、少年ジャンプでは読者に人気がない漫画は連載開始から10週で打ち切りなるという超過酷な競争環境であり、「シャカの息子」も残念ながらこの運命に逆らうことはできなかったからだ。
驚くべきは、「シャカの息子」の作者は、「浮浪雲」で有名なジョージ秋山であり、当時でもすでに巨匠の領域にいた漫画家だ。その巨匠が少年ジャンプに殴り込み(?)をかけて開始した連載がこの「シャカの息子」である。
しかし、少年ジャンプの過酷な10週打ち切りルールは、どんなに権威がある漫画家であろうと、人気がなければ適用されるという非情なルールである。
私も小学生ながらジョージ秋山を切り捨てた集英社は恐ろしい実力社会だと思ったものだ。それゆえに、後年、数々の超人気漫画を続々と世に出すことになるのだが、、、。
ちなみに、私はこのような破れゆく10週漫画が何気に好きだったりもする。確かに、万人受けしない漫画であるのだが、どこかに、光る何かを感じ取ることができる。「シャカの息子」もその一つだった。その「シャカの息子」が電子版で読むことができる世の中になっていたのだ。おそるべし、ロングテール戦略、Web2.0(もう古いか?)だ。
早速、買って読んで見た。面白かった、、、最後の数話までは・・・。そして、最後の最後で、驚きの結末。ジョージ秋山もこんな終わり方にして無念であったろう・・・と思います。
価格:432円 |