1970年代生まれの外資系IT企業エンジニア(関西在住))です。
様々な人々の叡智からの学びを通して、経済的独立の実現を目指します。
日々の思考の糧となる書籍を紹介します。


2019-01-01から1年間の記事一覧

「同時通訳者の頭の中」(関谷英理子)・・・・英語力をなんとか身に付けたい

外資系IT企業にいると英語が必要なタイミングがいくつかあります。 昇進にTOEICスコアが要求されたりすることもありますが、時々海外出張があって英語でコミュニケーションを取る必要があります。 特に困るのが、完全ネーティブだけの状況に置かれた時です。…

「東京の戦争」(吉村昭)・・・・あちこちのすずさん的な東京の少年

この夏NHKで「あちこちのすずさん」という番組をやっていた。 太平洋戦争末期の空襲が日常になった中で、慎ましくありながら、逞しくも日常の幸せを求めるごく普通の市民のエピソードが語られていた。 そのような戦争の中の日常生活が語られるようになったの…

「幻の声 NHK広島8月6日」(白井 久夫 ) ・・・・この世界の片隅と併せ読む

原爆投下直後の広島でラジオの中から支援を求める声が流れていたというNHK視聴者の便りをきっかに、その事実を追い求める元NHKディレクターの手記である。 原爆投下直前・直後の広島やアメリカの原爆投下作戦の実行状況を念入りに追った優れたドキュメンタリ…

「遠い日の戦争」(吉村昭) 当時の人々の息遣い・・・「この世界の片隅へ」と併せ読むべき

この夏NHK地上波でも放送された映画「この世界の片隅へ」を観られた方も多いだろうと思う。「この世界の片隅へ」は2016年に公開されて非常に話題を生んだが、単に戦争の悲惨さをアピールするのではなく、当時の時代を生きていた普通の人々の生活を淡々と辿る…

「反応しない練習」(草薙龍瞬 著) シンプルに生きる方法論

人生って結構しんどいことが多いなと思う。この世は、理不尽さがまかり通る。 ブッダはこの世の中は「苦しみ」に満ちていると言っているが、まさにその通りだなと思う時が時々ある。 まるで、自分が旧約聖書のヨブになったかと思う時もある。そういう時はつ…

「THINK CLEARLY」(ロルフ・ドベリ著) 現代の幸福論 

私は結構人生論というか幸福論的な本が好きだったりする。 今の生活が不幸というわけでもないし、不満を言ったらきりがないことはわかっているが、世界の賢人たちが人生に対してどのように対応しているのか興味があるし、それらから可能なだけ学びを得たいと…

追悼 瀧本哲史さん

2019年8月10日に瀧本さんが逝去されたというニュースが昨日(8月16日)報道されていた。享年47歳だった。 瀧本さんは言わずと知れた投資家・京大客員准教授で、「僕は君たちに武器を配りたい」など著作が多数であり、日本の多くのビジネス・リーダ特にミレニア…

「社会人にもなって、努力や成長なんて必要ない」(勝間和代) Growth Mindsetはどうなるの?

リクルートの新R25に掲載されている勝間和代のインタビューが衝撃的だ。 要するに、自分の弱みに関してはどんなに頑張っても人並みになる程度ならば頑張るだけ無駄で、自分の強みを活かしていくことの方が重要だということだ。 無駄な努力は最初からするな・…

「岩田さん」(ほぼ日イトイ新聞・編) 岩田さんになぜか憧れる

2015年に急逝された任天堂の岩田社長(当時)について糸井重里のほぼ日イトイ新聞に掲載されているインタビューやコメントを編集した本です。 岩田さんは元々エンジニア(プログラマー)出身で、任天堂の社長になってもその感覚を維持した発言が、他の会社の…

「シャカの息子」(ジョージ秋山著) 巨匠の挫折と実力社会

おそらく少年ジャンプを愛読している(いた)ほとんどの同世代(70年代生まれ)も、さすがに「シャカの息子」を知っている人はほとんどいないと思う。 なぜなら、少年ジャンプでは読者に人気がない漫画は連載開始から10週で打ち切りなるという超過酷な競…

「日本の技術が危ない」(ウィリアム・ファイナン、ジェフリー・フライ著) 1994年に書かれた予言の書

本書が出版されたのは1994年で、当時はまだ日本のエレクトロニクス業界が世界を席巻していた。 私が高校生だった1980年代後半は、日本の製造業の勢い凄まじく、かつ日本に対する風当たりも強く、テレビニュースでアメリカ市民がハンマーで日本の電気製品を叩…

「独ソ戦(岩波新書)」(大木毅著) 日本人の知らない戦争

日本人にとって先の大戦と言えば、太平洋戦争および太平洋戦争に至る日中戦争のことである。日本人の人的損害も約300万を超え、東京大空襲、広島・長崎への原爆投下、それに続く玉音放送と8月のこの時期は戦争を特集する番組や記事に溢れる。 学校教育の場で…

米軍機による市民への攻撃@神戸三宮1945年

米軍艦載機による非戦闘員への攻撃の跡が未だにJR三宮駅の構内で見ることができます。 こんなに日常生活の近くまで米軍の戦闘機が攻撃していたことを実感させてくれます。 戦争の傷跡はまだ我々の身近にたくさん残っている。そして、それらを決して忘れて…

「上級国民/下級国民」(橘玲著) 日本社会の身分制度について考えてみた

橘玲 氏の新刊「上級国民/下級国民」を早速キンドルで読んでみた。 日本だけでなくアメリカや欧米諸国で格差が広がっていることをまとめた本だ。 マスコミで流布しているものとは異なる視点だが、国内外の研究が広く引用されており、客観性も高い。それゆえ…

イシューからはじめよ(安宅和人著)とシン・ニホン

圧倒的な生産性を仕事で達成するためにはこの本から始めよ! 様々な仕事に役に立つ普遍的かつ本質的な考えが述べられており、周囲の人間もこの本の思考を実践できればと思います。 実際に、後輩諸氏(特に入社したばかりの社員など)にはオススメしておりま…

「世界のエリートがやっている 最高の休息法」(久賀谷 亮 著) 疲労と怒りへの対応

ブログにも以前スマナサーラ師の本を紹介しましたが、スマナサーラ師の本を読んで(いや本当は読む前からも)「怒ること」を常々やめたいと本気で思っています。 しかし、私はまだまだ未熟者で、日々の日常の中でつい怒ってしまう瞬間があります。つい先日も…

「ザ・ゴール」(エリヤフ・ゴールドラット著)と日本の未来

この国で今最もホットなテーマだと私が感じているのは、ズバリ、 生産性の向上 に尽きる。 「ザ・ゴール」はこの生産性向上のバイブルとも言える本である。 ベースになっている考え方は、著者で物理学者でもあるゴールドラット博士の考案した 制約理論(Theo…

「マインドセット」(キャロル・S・ドゥエック著) が実は世界中で流行していないか?

「マインドセット」が世界中のビジネス書や人材育成の場を席巻している。 実際、私が先日受けた人事研修でこの本で扱われている「マインドセット」に基づいていた。外資系企業の人材育成では常識になってきているキーワードである。 この本によると、成功し…

「仕事2.0 人生100年時代の変身力 」(佐藤留美) 性格スキルと成長

人生100年時代と言われるようになって久しいが、労働環境がどのように変化し、我々はどのように対応するべきかを考える書籍が相次いで出版されている。 本書もその一つであろう。 今後はAIによって人間の仕事は代替される可能性は大いにあるが、人間性(好奇…

「僕は君たちに武器を配りたい」(瀧本 哲史著)

滝本氏の「僕は君たちに武器を配りたい」を最初に読んだのは2011年の秋だったから、もう8年前の話になる。 説得力のある内容で衝撃を受けたのだが、結局何もアクションに移せていない。。。 50歳が間近になりつつあり、久しぶりに読み直して見たが、内容…

「Team Geek Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか」 は、内向型人間に役に立つか?

「内向型人間の時代」によると内向型人間は、オープンオフィスでの仕事には向いていないので、自分の空間を確保するべきだと説かれていました。確かに、そうだなと思い、最近はできるだけ、会社の中の静かなエリアや、街の静かな喫茶店や自宅勤務などを活用…

「内向型人間の時代」(スーザン・ケイン著) 自分が内向型だと思う人は是非読んでください

いまの世の中って外向型人間がある種の理想型になっていて、内向型人間はどちらかというと肩身の狭い思いをして苦労することが多いと思う。 会社でも新人研修から早速リーダシップを発揮することを求められるプレッシャーが始まり、社内評価でもリーダーシッ…

理工系の微分積分学(吹田信之・新保経彦著) 精神安定剤としての数学

サラリーマン生活も40代後半になって行くると正直、息切れしてきます。 特に、これ以上の出世って難しいんじゃないか、あるいは、これ以上、出世するとストレスも溜まって辛そうだな・・・なんて思ってしまいます。悩ましいですね。 そんな時に、意外と気分…

仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか? (安達裕哉)

最近、ますます重要視されるスキルは「コミュニケーション能力」である。 コミュニケーション能力がなければ、どこに言っても成功しない・・・というか、むしろ失敗・挫折・トラブルに付きまとわれる羽目になる。 コミュニケーション能力が低ければ、 コミュ…

責めず、比べず、思い出さず 苦しまない生き方 禅と大脳生理学に学ぶ知恵 (高田 明和著)

高田明和先生は浜松医科大学教授で、ブルーバックスなどで科学啓蒙書などを執筆されていた記憶があります。 私がこの本を手にしたのは、5年ほど前に少々苦しいプロジェクトを担当して辛いな〜と日々鬱々していた時期でした。図書館でたまたま見つけて手に取…

退去時の原状回復費用トラブルが訴訟にまで発展 その1

東京貧乏学生のサバイバル 知は力なり アパート立退編 - 隷属からの卒業にも書いたように私は学生時代にアパート立退のトラブルで初めて法律の威力を実感しました。 しかし、私は似たような経験を社会人になって10年以上立って再び経験することになりまし…

外資系ITコンサルが発見した「Utsuさんブログ」の衝撃

このGW10連休で久々のヒットだったのが、「Utsuさんブログ」を発見したことだ。 3utsu.com 就職活動に悩んでいる若者や転職に悩んでいる若者(あるいはかつて若者だったおじさん・おばさん)におすすめです。 何がすごいって、Utsuさんの経歴がすごい。 九州…

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈2〉(アルボムッレ スマナサーラ)

「怒らないこと」はなかなか実践が難しいです。本当に難しい。 私は実は結構毎日怒ってばかりです。それもつまらないことで。感情を表に出さないと気が多いですが、年に数回は人に対しても怒鳴り声をあげて怒ってしまうことが多い。。。ダメだなと思います。…

東京貧乏学生のサバイバル 知は力なり アパート立退編

一人の貧乏学生が法の力により立ち退き料を勝ち取った物語です 私は学生時代に東京でアパートで一人暮らしをしていたのですが、突然大家さんから 「息子夫婦がアポートを潰して病院にするので、立ち退いてほしい」 と言われました。 当時、貧乏学生であった…

ハイテク国家イスラエルと大阪を考える

2016年にイスラエルと日本の間で投資協定が結ばれて以来、イスラエルと日本の関係は深くなりつつある。私も仕事でイスラエルの会社とやりとりをすることも増えた。 メディアの中でのイスラエルは未だにイスラムとの間の確執・テロが目立って報道されるが、実…