ちきりんさんの「働き方改革と不眠不休の狭間」と安富歩さんの「満洲暴走」
社会派ブロガーのちきりんさんの「働き方改革と不眠不休の狭間」を読んでみたが、自分自身の体験も同じような「不眠不休」の圧力を感じることが多かったです。
特に、2000年代の日本の製造現場でのシステム化に携わることが多く、その中で、顧客からのプレッシャーがまさにこの「不眠不休」のプレッシャーであった。
システム請負の中で頂点にいる顧客から、様々な無理難題に応える必要があった。今思うと、そこまで要求する必要があるのか?そういった無理難題に応える必要があるのか、と疑問に思うことも多いのである。実際、無理難題が多かった顧客の業績はリーマンショックを境に転落していった。当時の担当者もリストラの憂き目をおった人も多かった。
だからこそ、2020年代になって振り返った時に、あの時の「不眠不休の努力」は本当にやるべきだったのか・・・と思うのです。
そんなことをつらつら思っていた時に、偶然に読んだ安冨歩氏(東大教授)の満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦」(角川新書)の中に、この「不眠不休の努力」の構造が、深く現代の日本社会の中に根ざしていること、そして繰り返し日本の歴史の中で現れることを知りました。先の大戦での軍部の暴走、平成バブルも実は同じ構造です。
このような精神構造やエートスが我々の社会の中に根ざしているのであれば、今後も「不眠不休」は繰り返されおびただしい被害が繰り返されるのか・・・と思うとゾッとします。
でも、そろそろ日本も人口減少やGDPの低下を迎え、この精神構造が変わらざるを得ない時期になってきているなと私個人は思っています。
満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦【電子書籍】[ 安冨 歩 ] 価格:880円 |