1970年代生まれの外資系IT企業エンジニア(関西在住))です。
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「遠い日の戦争」(吉村昭) 当時の人々の息遣い・・・「この世界の片隅へ」と併せ読むべき

この夏NHK地上波でも放送された映画「この世界の片隅へ」を観られた方も多いだろうと思う。「この世界の片隅へ」は2016年に公開されて非常に話題を生んだが、単に戦争の悲惨さをアピールするのではなく、当時の時代を生きていた普通の人々の生活を淡々と辿ることで当時の人々の心情が現代を生きる我々にも共感できる部分が多いことを感じさせてくれた。

確かに、当時の人々がどのように考えていたのかは歴史の教科書では学べないことだ。

 

本書「遠い日の戦争」もそのような当時の人々の心の動きを史実と合わせ読み理解ですることができる歴史小説の一つである。

ネタバレになるのでストーリーは書かないが、終戦前からの本土空襲の状況から終戦後の日本で戦争犯罪者となることを怯え逃げる元陸軍中尉が主人公である。

九州から関西(大阪・神戸・姫路)と西日本が舞台であり、「この世界の片隅へ」と合わせて、西日本の状況も理解できる。

当時は、本土決戦の名の下、西日本では着々と米軍迎撃準備が行われていたし、沖縄戦以降の西日本への攻撃の激化も知ることができた。

 

遠い日の戦争 (新潮文庫) [ 吉村昭 ]

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感想(2件)

 

この世界の片隅に」は、公開時には含まれなかった原作のストーリーを追加して「この世界の(さらにいくつもの)片隅」となって、2019年12月20日に公開されます。

楽しみですね。